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総合メディア基盤センターの発足にあたって

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The president of Chiba university

 今,社会は情報化時代を迎え,global化が一段とすすみ,新しい時代へと突入して居ります。教育界も国立大学の独法化を前にして,競争的環境の中にあって再編・統合の波が打ち寄せております。多くの情報をもとに小さなもので,効率よく,大きくまとめるためには,ITの拡充が絶対的であります。
 此の考えのもとに,千葉大学は,放送大学,メディア教育開発センターに隣接している地の利を生かし,他大学に先がけて,情報基盤整備が何より大切であることを自覚し,学内の総合情報処理センターを改組転換して,今年度新しく総合メディア基盤センターが開設される運びとなりました。
 当センターの歴史は,昭和39年,工学部の電子計算機室に遡ります。そして,昭和55年,当時の新システムの導入と同時に共同研究センター棟に居を移し,工学部情報処理センターに改組されました。そして,昭和56年には全学の共同利用施設として,千葉大学情報処理センターに,また昭和62年には千葉大学総合情報処理センターとなりました。
 そして,此の度は装いも新たに,総合メディア基盤センターとして誕生しました。その機能は,情報技術基盤研究部門,情報メディア教育研究部門,学術情報処理研究部門,大規模情報システム研究部門の4つの研究部門から成り立っております。
 大学は今や象牙の塔ではなく,社会に開かれた知の情報発信の場であらねばなりません。そのために果す当センターの役割は重要であります。この4研究部門の意味する所は,情報教育に関する研究と指導,情報環境を支える中核的人材の育成,マルチメディアの教育活用等を学内の学部,大学院に活用するに止まることなく,国の内外の大学とのNetworkを構築し,それを通じて共同の教育,研究を推進し,その成果を広く社会に還元することであります。これによってこそ他大学に先駆けて設置された当大学のセンターの意義が生ずるものであります。
 先ずは当センター長を中心として,学内の情報系教員の協力を得て,基盤センターの組織を充実し,その活性化を図ることが当面の課題でありましょう。私共に与えられた21世紀の責務と意義を認識し,全学を挙げて大学の情報環境整備に当たっていただきたい。



総合情報処理センターから総合メディア基盤センターへ

総合メディア基盤センター長 島倉 信

 千葉大学総合メディア基盤センターは,昭和39年4月,工学部に設置された電子計算機室に始まり,工学部情報処理センター,千葉大学情報処理センター,千葉大学総合情報処理センターを経て,本年4月1日に発足いたしました。
 センターに課せられた任務は時とともに変遷し,当初,全学共同利用のための研究用計算機の管理・運用がセンターの主たる仕事でしたが,情報処理教育の重要性から,教育および研究用計算機システムの管理・運用に拡大され,加えてネットワークの管理・運用がきわめて重要な任務となっています。
 一方,学内を見渡してもそれぞれの部署に計算機システムが導入され,分散して管理され,それぞれの様態に従って利用されているため,総体的には非効率で統一性に欠けた使いづらい情報基盤となってきています。総合情報処理センターが担ってきた,教育研究のための情報基盤の整備とその利用支援という枠をはずし,大学の情報メディア基盤の強化・整備とその利用という観点から,また教育研究機関としての高度情報化社会への大学の寄与という観点から,四つの研究部門と情報基盤推進室を持つ,総合メディア基盤センターを構想するに至りました。
 総合メディア基盤センターの各研究部門が推進する研究の概要は以下の通りです。

これらはいずれも極めて今日的課題であり,また教育研究の高度化を図るうえでも重要な課題であると云えます。
 総合メディア基盤センターでは,これら研究部門の成果が学内情報メディア基盤の整備・充実と情報メディア利活用の高度化にとどまらず,高度情報化社会を支える優れた人材の養成に寄与するとともに,情報科学・情報技術分野への学術的寄与を目指しています。その意味で学内にとどまらず,国立情報学研究所,メディア教育開発センターをはじめ,内外の研究機関との連携を深めたいと考えています。
 一方,情報基盤推進室においては,学内情報基盤の効率的管理運用と利活用支援を推進するとともに,附属図書館,経理部情報処理課との統合的連携を通して,学内情報メディア基盤の強化・充実を図り,総合メディア基盤センターが,真に学内情報メディアの総合的かつ中核的センターとして着実に成果を上げるべく,職員一丸となって努力しています。
 総合メディア基盤センター初年度の大きな取り組みは,高信頼・高速ネットワークと学内統合メール・システムの構築です。平成12年度に予算処置された高速(ギガ)ネットワークは,現在事務ネットワークの移行作業が順調に行われており,1月からは研究ネットワークの移行を行い,4月から本格運用に入る予定です。今回構築される高速ネットワークでは,研究室・事務室等から50m以内に100Mbps以上の情報コンセントが設置され,3キャンパス間あるいは部局間にこれまで存在した情報基盤の格差が解消されることになります。また,これまで各部局あるいは学科ごとにメール・サーバを立ち上げ,その管理・運用に多くの方が多大な時間と労力を払ってきた千葉大学のメール・システムを改め,統合メール・システムを導入します。統合メール・システムは総合メディア基盤センターの情報基盤推進室が管理・運用し,高速でセキュリティの高いネットワーク・システムが実現されることになります。
 総合メディア基盤センターには,教育・研究用計算機システム(E10000),研究用高速計算機システム(SR8000),マルチメディア・システム等が運用されており,教育・研究にこれら情報基盤を活用いただければと思います。詳しくは,総合メディア基盤センターのホーム・ページをご覧ください。


総合メディア基盤センターの沿革

 千葉大学総合メディア基盤センターは総合情報処理センターを発展的に改組したものであります。日立製作所HIPAC-103導入を機に昭和39年4月工学部電子計算機室として発足しました。以後、本学西千葉、亥鼻、松戸キャンパス、東京大学大型計算機センター間のN1ネットワーク構築を機に昭和55年10月工学部情報処理センター、昭和56年4月千葉大学情報処理センター、昭和62年1月に西千葉キャンパスに光ファイバー計算機ネットワーク・システムを構築し、昭和62年5月に千葉大学総合情報処理センターと発展してまいりました。
 その間、総合情報処理センターでは一貫して、時代の要請にこたえつつ、研究、教育用計算機システムおよび情報ネットワークの管理と安定運用、計算機システムとネットワークの研究、教育利用支援、研究、教育に関わる情報基盤構築のための開発研究を担ってまいりました。しかし、近年、センターが担うべき任務は格段に拡大しました。一方、大学における情報環境整備とその管理、運用は、各組織が半ば独立に行い、大学としての統一性の欠如や管理運用における非効率性を生み出していました。これらの課題に強力に取り組むため、平成13年4月1日、全国立大学総合情報処理センターに先駆け、情報メディアに関する総合的、中核的センターとなる「総合メディア基盤センター」が発足しました。
 総合情報処理センターと総合メディア基盤センターとの根本的相違は、総情センターの主たる役割が大学における教育研究支援のためのコンピューターおよびネットワークの提供とその管理運用であったのに対し、4つの研究部門と1つの管理部を擁する総合メディア基盤センターに課せられた課題は、学内の問題にとどまらず、情報科学、情報技術、情報メディアの利用および教育に関わる理論的かつ実証的研究成果の発信です。総合メディア基盤センターにおけるさまざまな研究成果が、急速に進展する情報化社会に一石を投じ、また、大学の情報基盤の整備を推進する情報の中核センターを目指します。


総合メディア基盤センター組織概要

組織図 研究部門

 研究部門は情報技術基盤研究部門、情報メディア教育研究部門、学術情報処理研究部門、大規模情報システム研究部門の4つからなります。

拡大図はここをクリック


情報技術基盤研究部門

教授古森雄一
助教授多田

 学内共同利用コンピュータのシステム構成の研究、高信頼ネットワークシステムの設計法に関わる研究、多目的利用におけるシステムセキュリティの研究、キャンパス基盤ネットワークの最適化と実装の研究、その他、情報技術基盤に関する研究開発および技術支援を行います。

情報メディア教育研究部門

教授井宮
助教授今泉貴史
助手酒井智弥

 大学における情報メディア教育のパイロットモデルの研究、多様化する教育を支援するための情報メディア教育を担う人材の育成および社会人再教育・生涯教育のための情報環境の研究、セキュリティーを確保するためのネットワーク管理運用法の実践的研究、関連学部・大学院との連携による学部・大学院レベルの情報教育の充実、その他、情報メディア教育基盤の充実に関する研究および支援を行います。

学術情報処理研究部門

教授宗宮好和
講師山下和之

 多種多様な学術情報資源のディジタル情報化と活用の高度化に関する研究開発、自然科学、人文社会科学分野におけるディジタル情報処理、保存、保守、利用手法の研究、附属図書館との連携による電子図書館機能の整備充実に関する研究、ディジタル学術情報コンテンツの作成、公開、利用、に伴う法的問題に関する研究、その他、ディジタル情報活用の高度化に関する研究、開発およびコンテンツ作成支援を行います。

大規模情報システム研究部門

教授へい東
助教授植田
講師橋本明浩

 高速計算機システムを利用した自然科学分野の研究の促進、高速計算機システムの利用技術の高度化に関する研究、大規模で複雑な計算結果の可視化手法、技術の開発研究、自然科学研究科の関連分野との連携による情報環境を支える高度技術者の養成、その他、大規模情報システムの利用技術に関する研究および利用技術支援を目的としています。

情報基盤推進室

 センターの管理部門として教育研究活動を実務面で支援するとともに、学内共同利用のコンピュータ資源および学術情報基盤の効率的管理運用を行います。また、学内の情報関連部局との連携により、学内情報サービスの充実化をはかり、ディジタル情報と紙媒体情報の統合的運用体制の確立を目指します。

運営委員会

 センター長、センター専任の教授、助教授、附属図書館長、千葉大学専任教授若干名からなる学部教授会相当の運営委員会を組織し、センターの管理運営に関する重要事項、研究および教育に関する重要事項、情報システムの運用、教員人事に関することを審議します。

今年度の運営委員会委員:

  島倉 信(大学院自然科学研究科教授 総合メディア基盤センター長)
  古森 雄一(情報技術基盤研究部門 教授)
  井宮 淳(情報メディア教育研究部門 教授)
  宗宮 好和(学術情報処理研究部門 教授)
  土屋 俊(文学部教授 附属図書館長)
  山野 芳昭(教育学部 教授)
  伊勢崎 修弘(理学部 教授)
  安達 元明(医学研究部 教授)
  市川 熹(大学院自然科学研究科 教授)
  今泉 貴史(情報メディア教育研究部門 助教授)
  植田 毅(大規模情報システム研究部門 助教授)

専門委員会

 千葉大学の情報基盤の安全かつ安定な運用のため、センター業務を円滑に進めるために専門委員会を設置します。

今年度の運用専門委員会委員:

  島倉 信(大学院自然科学研究科教授 総合メディア基盤センター長)
  石井 正人(文学部 助教授)
  阿部 昌人(教育学部 助教授)
  青山 耕治(法経学部 講師)
  辻   尚史(理学部 教授)
  瀧口 正樹(医学研究部 教授)
  里村 洋一(医学部附属病院 教授)
  小林 弘(薬学研究部 教授)
  田中 裕二(看護学部 助教授)
  須鎗 弘樹(工学部 助教授)
  松田 友義(園芸学部 助教授)
  大塚 成男(大学院社会文化科学研究科 助教授)
  稲葉 尚志(大学院自然科学研究科 教授)
  古森 雄一(情報技術基盤研究部門 教授)
  井宮 淳(情報メディア教育研究部門 教授)
  宗宮 好和(学術情報処理研究部門 教授)
  植田 毅(大規模情報システム研究部門 助教授)
  御子柴 道夫(外国語センター 教授)
  梶原 康司(環境リモートセンシング研究センター 講師)
  知花 博治(真菌医学研究センター 助教授)
  牧   栄一(経理部 情報処理課長)
  平元 健史(附属図書館 情報管理課長)
  小貫 操(総合メディア基盤センター 情報基盤推進室長)


高速キャンパス情報ネットワークシステムについて

ギガネットワーク構成概念図
拡大図はここをクリック
高速キャンパス情報ネットワーク

 本ネットワークシステムは、既に老朽化している複合ネットワークに替わる新しいネットワークで、幹線および支線の通信速度の増強を図るとともに、通信の安全性にも配慮したギガイーサネットワークです。
 ギガイーサネットワークはSW-HUBでVLANを構成し、セキュリティシステムおよび帯域制御装置等を適所に配置しています。また、原則として研究室や事務室から約50m以内のところに100Mbpsの情報コンセント用の中継HUBを置いていますので、このコンセントに研究室および事務室で保有しているパソコン等を接続して下さい。新ネットワークの運用と合わせて統合メール・システムの運用を予定しています。




ギガイーサネットワークへの移行及び運用
・ 平成13年11月より、新ネットワークへの移行開始。暫定運用
・ 平成13年11月初旬〜12月下旬 → 事務ネットワークの移行。暫定運用
・ 平成14年1月〜3月下旬      → 教育・研究ネットワークの移行。暫定運用
・ 平成14年4月〜           → 本運用開始


総合メディア基盤センター行事表(2001.4〜2001.9)

第1回総合メディア基盤センター運営委員会5月24日(木)
総合メディア基盤センター開設記念式典6月 6日(水)
第2回総合メディア基盤センター運営委員会7月18日(水)
第1回総合メディア基盤センター運用専門委員会7月31日(火)
平成13年度新教科「情報」教員講習会8月 6日(月)〜 8日(水)
平成13年度新教科「情報」教員講習会8月21日(火)〜24日(金)
総合メディア基盤センターセキュリティ専門委員会9月11日(火)
総合メディア基盤センター広報編集専門委員会9月14日(金)
第3回総合メディア基盤センター運営委員会9月18日(火)
臨時総合メディア基盤センター運営委員会9月21日(金)


開設記念行事

除幕式  総合メディア基盤センター発足後、6月6日に総合メディア基盤センター開設記念行事が挙行されました。行事は、生憎の雨の中での開催ではありましたが、文部科学省研究振興局長代理(学術基盤整備室長)山田真貴子氏、磯野可一千葉大学長、杉浦哲郎事務局長を始めとする多数のご来賓にご出席いただき、無事、センター正面碑銘の除幕式から始まりました。その後、センター内で施設およびセンター専任教官による研究成果の展示の見学が行われました。時間が全体で30分と短いにもかかわらず、出席者は学内ネットワークの構成の説明、結晶成長のリアルタイム簡易アニメーション、宇宙物理のビデオ上映、画像処理研究の展示、IPv6対応のルーターの実物、ソフトウェア開発の展示の説明を熱心に聞き入っていました。センター内での見学の後、けやき会館大ホールに場所を移し、大浪附属図書館事務部長の司会により開設記念式典が挙行されました。記念式典には多数の他大学総合情報処理センター長を始めとする84名のご来賓にご出席戴き、また、山田真貴子氏、国立情報学研究所研究総主幹小野欽司氏にご祝辞を頂戴いたしました。
 式典後には、千葉大学工学部工業意匠工学科出身で元ソニー株式会社顧問である黒木靖夫氏による開設記念講演が行われました。「学歴無用論」という演題でお話いただきましたが、氏が工学部の卒業生であること、ソニー株式会社顧問時代にウォークマンを開発された方であることなど多くの理由により、けやき会館大ホールに立ち見が出るほど盛況な講演会となりました。お話の中には氏のソニー時代の経験なども織り込まれ、就職活動を控えた学生には参考になったものと思います。氏のお話の中にはソニー創業者の一人、盛田昭夫氏の言葉として、組織には同質なものばかりがいても仕方がないというものがありました。当センターの組織運営においても肝に銘じたいところです。講演会の後、祝賀会が開かれ、学内外のご来賓の方々とセンター教職員との歓談、交流が図られました。


マルチメディアシステムの利用推進について

 遠隔会議・遠隔授業用の「マルチメディアシステム」の機器操作方法を簡素化し、 利用しやすくしましたのでお知らせします。
  1. プロジェクター操作法の簡素化
    スイッチボックスを新たに取付て、ボタン操作で書画装置、パソコン等の 接続装置が選択できます。
  2. 映像配信用のタッチパネルのリフォーム
    デフォルト・ナビゲーションを設定して、選択回数を軽減しました。
なお、本システムの詳細については、次の URL を参照して下さい。

http://www.imit.chiba-u.ac.jp/services/multi/


センター共同利用計算機の利用について

 センターでは、学内の教職員および学部と大学院の学生に対して研究と教育の ためのセンターの計算機利用をよびかけています。学部の学生は、入学と同時に 教育用計算機の利用登録がされ、卒業まで利用することができます。その利用 アカウントは、普遍教育「情報処理」などの授業を通じて取得することができます。 学部学生、大学院生や教職員が高速演算サーバやアプリケーションサーバを 利用するには、研究利用申請が必要です。その際、研究グループの代表の方の 支払い責任者登録があらかじめなされていなければなりません。年度継続の 利用申請の手続きは3月ですが、新規の利用申請は随時受け付けています。 詳しくは、下記の URL をご覧下さい。

http://www.imit.chiba-u.ac.jp/services/ed_rsch/


センターニュースレター投稿記事募集について

 センターではニュースレターに掲載する記事を募集します。広い意味で 計算機環境に関することであれば特に内容を限定しません。 どしどしご応募下さい。
 執筆要領については広報編集委員会委員長にご相談下さい。

editor@imit.chiba-u.ac.jp


ロゴマーク

 総合メディア基盤センターは発足とともに下に示すようなロゴマーク3種を制定いたしました。このロゴマークはセンターが情報の発信地となるべく情報が多方向へ伝わっていく様子、情報基盤である光ファイバー網が地球全体を網羅する様子を表し、記録メディアである各種ディスクを模式化したものと、センターの英語名Institute of Media and Information TechnologyのイニシャルIMITを組み合わせたものです。このロゴはセンターの使命遂行への決意の表れです。

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附:運用専門委員会委員の記事で辻 尚史教授(理学部)のお名前が正しく表記されていませんでしたので修正しました。
お詫び申し上げます。(02.02.06)

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